「思春期の子育て」-先生からお母さんへ-⑤
横浜市立大学非常勤講師 鈴木 豊
《201話》
『大きな夢と小さな夢』
「少年よ大志を抱け」で有名なクラーク博士は、大志(大きな夢)と小志(小さな夢)を区別しています。
偉い人になりたい、お金持ちになりたい、などはクラーク博士に従えば「小さな夢」ということになります。
クラーク博士の言う「大きな夢」とは、「利他心」からの夢です。
「大きな夢」とは、「人の役に立つための夢」です。
「小さな夢」とは、「利己心」からの夢です。
「小さな夢」とは、「自己中心的な夢」なのです。
今の社会は科学が発達し、豊かで便利な世の中です。
豊かさの反面、「モラルの荒廃」「道徳の荒廃」「心の荒廃」ということが叫ばれています。
電車やバスといった多くの人たちが利用する公共の場でも、わがままな、自分のことしか考えない人たち、自分の権利ばかりを主張する人が増えています。
このきびしい競争社会の中で、人を蹴落としながら、自分さえ良ければ、自分だけが楽しく生きられる世の中では、悲しくなります。
障害を抱えていたり、困っていたりする人たちと支え合いながら、みんなが楽しく生きられる世の中であってもらいたいのです。
そんな世の中にするために、あらためて子ども達に「大きな夢をもて!」。
未来をすばらしい世の中にしてもらいたい、と願うのです。
「Boys be ambitious !」
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